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通関士の正体通関士試験の正体教科書参考書知って得する基礎知識携帯用電子計算機学習スタイル


■はじめの一歩 >>> □知って得する基礎知識 >>> ◎消費税としての関税

◎法令の体系(法段階構造)

◎法文(条文)の読み方

◎条文の構造(接続詞の意味)

◎立法趣旨の重要性

◎通関士試験の各科目の関係

◎関税法と関税定率法の関係

◎関税の役割(輸入税としての関税)

◎消費税としての関税

◎関税の課税対象

◎通関手続と貿易実務

ここでは関税の性格について触れてみましょう。結論を先取りしますと、関税は課税の根拠からジャンル分けすれば、消費税にあたります。
でも、いきなり消費税だといっても、ピンと来ない方も多いと思いますので、租税一般のお話からしていきましょう。

租税(税金)には、さまざまなものがありますが、それらの租税は、課税の根拠をどこに見出すか(簡単にいえば、何に対して税金をかけるのか、ということです)という観点から、いくつかのグループに分けることができます。

(1)収得税:これは一定期間の間に得た財貨に課するものです。具体的には、みなさんのお給料に課税される所得税や会社の収益に課税される法人税などがそうです。
(2)財産税:これは一定期間ではなく、一定時点において得た財貨に課するものです。具体的には、相続税などがそうです。(相続は、被相続人が死亡した瞬間になされます。)
(3)流通税:これは財貨の取引・流通に関連して課するものです。具体的には、金額の大きい取引がなされた場合に領収証に貼ったりする印紙税や土地・建物を登記するときに納付する登録免許税などがそうです。
(4)消費税:これは消費について課するものです。具体的には、みなさんが商品を購入するときに支払う消費税をはじめとして酒税、たばこ税などがそうです。

租税のグループ分けを行ったとき、関税は消費税グループに位置づけられます。つまり、関税は外国貨物(=輸入貨物)の消費という事実に課税の根拠を見出して課税されるのです。

関税が消費税であるということは、これから先、通関士試験の学習を進めていく上では非常に重要なことですから、しっかりとおさえておいて欲しいところです。

消費税は、消費という事実に課税するものでありますから、消費をする人、すなわち流通の最終段階に位置する消費者が消費税を負担することになります。

では、ここでちょっとみなさんに考えてもらいましょう。

例えば、斉藤さんが東京にあるAバッグ店で、パリの工場から輸入されている定価20万円のバッグを購入したとしましょう。この場合、斉藤さんは定価20万円に5%の消費税1万円、合わせて21万円を支払ってお家にバッグを持って帰ります。このとき、斉藤さんは、21万円の他に何らかの代金を関税として請求されるでしょうかぁ、そう、されませんネ。

あれれれぇ〜〜〜?、斉藤さんは消費者ですよね。とすれば、外国から輸入されたこのバッグの関税は払わなくてもいいのでしょうか。それとも、税務署なり税関なりに別途に関税を支払うのでしょうか。

みなさんは、外国から輸入された外国製品を買ったときに、その代金とは別に関税を払っていますか。税務署なり税関なりに関税として別途に支払いますか。

そう、直接的には払ってはいませんよね。もちろん先の例の斉藤さんもバッグ代金とは別途に関税分を払ってはいません。

では、関税は消費税なのだから、その関税を負担するのはあくまで消費者であるということと、消費者が実際には関税分を別途に支払っていないということとは矛盾しないのでしょうか。

これは矛盾しませんっ。

ちょっと頭が混乱してきたかもしれませんが、確かに、関税は消費税である以上、最終的な関税の負担者は消費者でなければなりません。先のバッグの例でいえば、斉藤さんがそのバッグを消費するのですから、最終的にそのバッグの関税を負担しなければなりません。

ですが、最終的に関税を負担するということと実際に関税を納めるということとは別個の問題なのです。

最終的に税金を負担する人のことを「担税者」(たんぜいしゃ)と呼び、実際に税金を納付しなければならない人のことを「納税義務者」(のうぜいぎむしゃ)と呼びます。

先のバッグの例でいえば、関税は消費税ですから、外国から輸入されたバッグの担税者は、そのバッグを消費する斉藤さんに他なりません。しかし、関税の納税義務者は消費者である斉藤さんではなく、そのバッグの輸入者であるAバッグ店なのです。つまりAバッグ店は、パリの工場から輸入したバッグを輸入許可を得て引き取るために関税を納付しているのです。関税においては、実際に関税を納めるべき人は「輸入者」であると関税法に定められています。しかし、関税は消費税ですから、最終的な関税の負担者(担税者)は消費者である斉藤さんでなければなりません。そこで、とりあえず関税を納税したAバッグ店はどうするかといいますと、そのバッグを販売するときに、バッグの販売価格の中に、自分が既に負担している関税分を織り込むわけです。斉藤さんが購入したバッグの定価20万円という価格は、実は関税分が上乗せされた価格だったのです。

通常、私たちは外国製品を購入しても、別途に関税として代金を請求されませんが、実は、その外国製品の売値の中に既に関税分が上乗せされているだけで、実質的に見ると私たち消費者が関税を支払っていることと同じ結果となっているのです。

ちょっとここで視点を変えて、相続税との比較でお話を進めましょう。
甲さんが死亡して、一人息子の乙さんが甲の財産を相続したことにしましょう。相続人である乙は相続財産について相続税を納付しなければなりません。
この場合、担税者は乙であり、納税義務者も乙です。つまり、担税者と納税義務者とが一致します。
相続税に限らず、例えば所得税や法人税なども担税者と納税義務者とが一致します。

担税者と納税義務者とが一致する税金を「直接税」(ちょくせつぜい)と呼び、担税者と納税義務者とが一致しない税金を「間接税」(かんせつぜい)と呼びます。

相続税や所得税、法人税などは直接税ですが、関税は間接税ということになります。

では、なぜ、関税は納税義務者と担税者とが一致しない間接税なのでしょうか。
理屈としては、関税を直接税とすることもできるようにも見えます。納税義務者を消費者にしてしまえばいいのですから。
でも、これは実際上は無理ですね。消費者は流通の末端に位置しますし、またその数は膨大です。消費者一人一人について納税させることは現実問題としては困難なのです。
そこで、消費税の場合には、課税技術として、消費の以前の流通段階で課税するようにしているのです。
関税との絡みでいえば、関税は輸入のときに、将来の消費を見越して、とりあえず輸入者を納税義務者として納付させますが、この関税負担は消費者に転嫁されていくことがもともと予定されているのですね。これを専門用語で「租税負担の前転」(そぜいふたんのぜんてん)と呼びますが、まぁこんな言葉は知らなくても構いません。

関税は納税義務者と担税者とが一致しない間接税だといいましたが、より突っ込んでいえば、関税にとどまらず、消費者を担税者とする消費税は、課税技術上、間接税とせざるを得ないのです。消費者を納税義務者としたらそれこそ大変なことになりますからねぇ〜〜。だからこそ酒税だって、たばこ税だって、み〜んなその代金の中に税金分が含まれていて、それらを販売する人たちが納税義務者となっているのです。

まぁ、これらのことが通関士試験で直接問われることはまずないと思いますが、何事も基本が大切。全体的なカラクリだけは知っておいて欲しいと思います。もし、通関士試験に口述試験があって、私が試験官だったら、この手の事柄を聞きたいですけどネ。



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