私の受験体験記
●受験のきっかけ
私は、人事異動により貿易・通関に関する知識はゼロの状態で輸出入の担当になりました。おまけに、当時はリストラの嵐が吹き荒れていて、引継ぎ無し…。税関が何処にあるかわからず税務署の内にあると思っていて笑われて、警察犬と麻薬探知犬の所属は同じだと誤解していて、カスタム君とさんまのまんま君の区別がつきませんでした。数え上げたらきりがありません。こんな調子じゃ駄目だぁ、何か勉強するものはないかしら、と思っていた時に乙仲さんから「通関士」試験を受験するということをお聞きして、初めてその存在を知り、興味を持ち私も受験してみよう、と思ったのがきっかけです。
●試験結果
・1回 一次実務で足切り、不合格
・2回 一次足切通過、結果は不合格
・3回 一次足切通過、結果は不合格
・4回 合格
●教材等について
最初何を基本に勉強したらいいのか分らず、スクール等は身近にはなかったので、通信教育を申し込みました。毎回申し込みました。が、、解答を返送した回数は、、合計して10回もありませんでした…。1回遅れてしまうと後は中断してしまい、追いつけませんでした。でも時々質問メールを送り、その都度丁寧な回答を頂きました。資料も役立ちました。この通信教育資料と市販品の組合せで勉強しました。市販の教本・問題集は同じ物を、対応する年度毎に毎回買い換えました。
○使用した教材(アンダーラインは、中心教材←4回目はこれのみ)
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関税六法 ・テキスト…2冊(通信教育)(市販品) ・問題集…短答記述対応:1冊(通信教育)、短答対応:1冊(市販品)、記述対応:1冊(市販品) ・申告書対応:2冊(通信教育)(市販品) ・サイトの「知って得する基礎知識」
サイト内の資料は全てプリントアウトしました。また、思いがけず、乙仲さんから、練習問題の提供をいただき、とても励みになりました。(涙)
市販品は、大きな書店で立ち読みして、自分に合いそうな教本と問題集を購入しました。その後、ネットで数冊購入しましたが、それは結局使用せずに終わりました。(相性ってあるみたいです)この他に、数年前から、読み物として副教材のような書籍が発行され始めましたので、ネットで購入しました。貿易実務関係の書籍も購入して、勉強中断時は、副教材を読んだり、貿易実務の勉強をする事が多かったです。書籍で入手出来ない情報は、インターネットで検索してみました。
●勉強方法
○通関業法、関税法、定率法、他法令
基本的に、短答も記述も同じ方法です。
(1)テキストを読む。 (2)問題を解く。 (3)条文を読む。
**受験1回目**
通関業法→関税法→定率法→他法令
短答終了後→記述
とりあえず(1)だけを数ヶ月続けました。でも、書いてある内容が解らず、なかなか前に進まないので嫌気がさして中断してしまい、あわてて8月から問題集中心に切り換えました。とにかく問題に慣れる事に重点を置きました。((2)→(1)+(3)の順で進めました。)春から始めて、中断して、8月からまた始めて、9月集中、の形でした。
1回目は、勉強不足、消化不良のままの受験でした。
その後、受験は途中で断念しましたので、2回目受験は、3年後になります。
**2回目**
関税法→定率法→他法令→通関業法
短答終了後→記述
1回目とほぼ同じ方法でしたが、途中から、条文中心に切り替えました。((2)→(3)+(1))
本格的に勉強した時期が遅く、問題は最終的に条文で確認する事もあって条文中心に切り換えました。勉強は春から土日中心の勉強で、続かなくて中断し、8月から平日も勉強する様になりましたが、何もしない日も多かったように記憶しています。9月集中型でした。一次足切りにはなりませんでしたが、結果は不合格でした。
**3,4回目**
定率法→関税法→他法令→通関業法
記述終了後→短答(4回目は途中から、記述と短答同時進行)
条文中心に、不安のある定率法から始めました。((3)→(2)→(3))
テキストは補助的に使用しました。最初から条文中心にしました。理由は、通関士試験は法律の理解力の試験であるとサイトの先輩方の度重なる助言が投稿されていた事、記述が空欄穴埋めとなり法律用語をしっかり理解する必要があると思った事、実務では六法・通達等で税関と話をする事が多く、法律を知らないでは済まされない等です。また、テキストは後に訂正があり、1回目の時に、一度覚えた内容が訂正され混乱した経験から、条文を読んで確認しないと不安な為でした。(心理的には、こちらのほうが大きな理由だったかもしれません)
記述はノートに、短答は解答用紙を自分で作成してそれに書いていきました。問題集1冊を、1問づつ丁寧に解いて1冊全部完成させました。ヤマかけするにも、どこが山でどこが谷だかわかりませんでしたし、あれこれ考えるより、木を見て森を見ずにならないように、とにかく全体を把握しようと思いました。まず、条文を読み、次に、問題を解きノートの左側に答を書いていく。答え合わせをする。条文を読んで間違っている部分を確認する。ノートの右側にまとめや気になる点を書く。問題集に間違っている箇所のマークをする。時々振り返って復習。問題集に出題されていない条文がありましたが、そこもしっかり読み理解することを心掛けました。(罰則が本試験に出題されましたが、おかげで慌てずに済みました) 残念ながらノートの右側は、後半余裕がなくなって白紙状態のまま終わりました。記述終了後短答を解いていきました。条文を読み、問題を解き答え合わせをして、条文で確認。この繰り返しです。
春から始めて、やはり中断があり(私は持久力がなく短期集中型だと自覚…)、3回目は8月から、4回目は7月から毎日勉強しました。暗記は苦手なので、受験の為のパターンを覚えるのではなくて理解して進む様にしました。記述を先に始めたので、9月になると忘れてしまってる言葉が多い事に気が付いて慌てて、短答と同時にまた記述も再開しました。今思うと、記述短答同時進行時の方が効率的だったような気がします。問題集は記述、短答共に、毎回一通り1回解くのが精一杯で、マークしている間違った問題を直前に再度解く、という形でした。でも、何度も解いた方が絶対に力が付くと思います。私の場合、4回受験してる事と、受験を断念した年もかなり頑張った時もありましたので、毎回1回だけでも、蓄積があったのかな、と思います。
○実務
申告書が鬼門でした。
申告書は、分類・税率とも完全に合った事はなくて、苦手でした。輸出入どちらも間違ったり、どちらか間違ったりで、全品目正解した事がなく、この申告書が出来ない限り合格はない、と3回目の受験終了後はっきり自覚しました(お、遅すぎる!)。
分類は、1回目の受験時には、『捨て問』と言われ前年までは1問しか出題されていなかったので、全く勉強せず、3問出題された時にはビックリ、脇役が一気に主役に躍り出た瞬間でした。結果3問全滅でした。その後毎年会社から前年のタリフを持ち帰っていたのですが、タリフを丁寧に読むのはナニかが違う、と読む気にはなれず、今年はやめました。2回目、最初は過去問を暗記する様にしました。でも全問正解したり、全く駄目だったりで応用が効きません。また、すぐに忘れてしまいました。他の問題でカバーして1問取れれば良い、と割切って考えてあまりやる気は起こりませんでした。通信教育の分類資料を、勉強の合間に眺めて、全体をなんとなく覚えて、過去問を解いて行きました。本試験では3問中2問正解しました。3回目の受験時も同じようなやり方でしたが、4問中2問しか正解出来ませんでした。問題が1問増えていた事もあり、今年は、分類の基礎からやり直そうと思ました。
「生きている馬」と「サーカスの馬」は違う分類である→○。条件反射で覚えていました。でも何故違うのか?サーカスの馬も生きてるのに? 分類の構成と基準を知る事が大事だと思いました。そもそも分類って何者?どんな基準で作られたの?ということで、HS分類のルーツについて調べることにしました。インターネットで「HS分類」と検索すると沢山ヒットしましたので、気になるサイトにアクセスして資料をアウトプットしました。税関のHPで分類の検索もしてみました。その結果、HS分類の歴史や背景がわかり、分類を何故勉強するのか自分なりに動機付けが出来ました。分類の構成を通則を読みながら考えていきました。次に、全分類が1枚で見える表を用意して(どのテキストにも載っているものです)過去問を解き、解答の分類をその表で確かめていきました。そして、問題の品名と分類の関係を、通則で確認しました。生きている馬とサーカスの馬の違いも納得出来ました。今回本試験実務短答の分類は、全問正解出来ました。
申告書は輸出が苦手でした。20万円以下のまとめ方が理解出来ていませんでした。輸入は2回目までは出来ていたのですが、3回目豚肉が出題され、問題の内容を読み取る事が出来ませんでした。模範解答を読み、愕然としました。日本語が読めていませんでした。これも自信がないので冷静さを欠いたのだと思います。豚足に蹴られてドコ○ダケのようにトントントンと落っこちてしまった、と思います。私の中では、豚肉は何時の間にか豚足になっています。(ちなみに税番違います)申告書も1から出直しです。たまたま通信教育講座で申告書のモニター募集がありさっそく応募しました。資料を丁寧に読んでいくと、今までなぜこうするんだろう?と思っていた疑問が解決し、納得すれば後は税番だけなので、楽になりました。…過去もっと早く問題集真面目に取り組めば良かったと思います。きっとどの問題集にも書いてある事なんだと思いますが、私は苦手意識が強く、避けていたような気がします。そして、上述の分類の構成が理解出来るようになると、税番も正確に押える事が出来るようになりました。
過去の受験も含めて枚数こなす時間は作れませんでした。枚数よりも1枚を完全に完成させる事に重点を置きました。必須項目は正確に押えて部分点を少しでもキープしたいと思っていました。モニター資料の約20件程を完全に完成出来るように、作成していきました。中段が重要なのは言うまでもありませんが、チェックする箇所は結構あって、記入すべき項目に洩れがないか、項目の目的を考えながら、ひとつひとつ押えていきました。今年、自己採点で、苦手な輸出は100%出来ました。輸入は、勘違いのミスはありましたが、税番・税率は合っていて、計算ミスもしていなかった事で合格点をクリア出来たのだと思います。その結果、申告書を除く科目では、自己採点で昨年より低い平均点だったにも拘わらず合格出来たのだと思います。
●勉強時間について
毎回春になると勉強を始めましたが、途中で中断してしまい、追い詰められないと目が覚めない、学習能力がないっ、と自己嫌悪にいつも陥りました。中断中は、貿易実務や副本等を読んだり、疑問に思っていた事を調べたりしていましたので、充電は出来ていたのかなぁ、とは思います…。1,2回目は、お昼休みや土日に1、2時間位で、継続とは言い難い状態で、9月からの集中土日型でした。3,4回目、本格的に始めたのは、7月以降です。1日も休まず勉強した期間は、3回目は8月から、4回目は7月からです。残業続きで仕事がとても忙しくなっていましたが、5分でも10分でも絶対毎日勉強する、と決めて実行しました。1日でも休むと、中断しそうで恐かったのです。実際疲れ切っていて5分の時もありました。平日は5〜60分、土日に1-4時間位でした。9月に3連休が2回あり、その時は5,6時間勉強しました。平日は、会社帰りにファミレスに寄って勉強する事が多かったのですが、同じ様に勉強されている方が何人もいらして元気付けられました。休日は、土曜日は休息が主になり、日曜日集中のパターンでした。
●試験当日
前日は早く休もうと思っていましたが、雑用が多くて結局就寝時間は24時でした。集中力に影響するので、もっと早く休んだほうが良いと思います。試験の問題用紙は、開始の合図と共に、一通りザッと目を通しました(1分もかかりません)。なんとなく問題の傾向が見えるので心構えが違うような気がします。
● 試験を終わって
今回4回目で合格できました。全ての科目が60%以上クリアと公表されているので、どれか一つでも落とすと合格はあり得えず、苦手な分野を克服する事が不可欠、総合点ではなく、総合力を問う試験なのだと実感しています。そして合格は到達点ではなくて出発点だと思いました。まだまだ知らない事が多過ぎます。
このサイトには1回目受験時に出会いました。少し解り始めると、掲示板には積極的に参加していました。解らない事も沢山教えていただきました。勘違いや間違った意見を述べてご迷惑をお掛けし、先輩から失笑や叱責を頂いた事もありますが、そのひとつひとつがさらに勉強になりました。自分の間違いは指摘をされないと気が付かない場合が多いので、とてもありがたかったです。
この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
何度も不合格になり、昨年相当落ち込んでいた時に「何度落ちてもいいんですよ。錆付かないためにも勉強は大事だよ」とサイトの先輩から励まされた時は肩からスッと力が抜けて楽になりました。不合格になると会社で辛い日々がある事は重々承知の上で(実際辛かったです)、それでも合否は関係ないよ、勉強して実務で頑張れ、仕事で信頼されるようになるんですよ、という温かい励ましが伝わってきました。そうだった、落ちても合格しても勉強は大事!実務は待ってくれない、合否に関係なく勉強して仕事に活かして、合格もしよう、と吹っ切れました。実は今年合格発表の日、間違って東京税関で確認してしまい不合格だと思ってしまっていたのですが、それでもまた来年頑張ろう、と最初に思えたのは、この励ましのおかげで迷いがなくなっていたからだと思います。怠け者の私が、途中で諦める事なく、合格まで辿り着くことが出来たのは、本当にこのサイトなくしては考えられません。良き先輩や仲間に恵まれて勉強していく事が出来た事は奇跡の様です。
管理人様、皆様、ほんとうにありがとうございました。
私の経験が少しでも参考になれば幸いです。
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